シャンパーニュとは、フランスのシャンパーニュ地方で造られる発泡性ワインを指します。他の地域で造られた発泡性ワインをシャンパーニュとは呼ぶことは、1908年より法令によって禁止されています。
フランスのブドウ栽培地域のなかで、シャンパーニュ地方は最も北に位置します。気候の変化が激しく、年間の平均気温は10.5℃以下です。冷たく涼しい気候はブドウ栽培には厳しい条件ですが、ブドウをゆっくりと熟成させることができ、糖分と酸味のバランスがよいものに仕上がります。土壌は白亜質や石灰質であるため、水はけがよくミネラルが豊富で、高品質のブドウが育ちます。
シャンパーニュを造るブドウの品種は決められています。一般的には、黒ブドウの「ピノ・ノワール」、「ピノ・ムニエ」、白ブドウの「シャルドネ」が使われます。「ピノ・ノワール」は力強く、「ピノ・ムニエ」はフレッシュで柔らかく、「シャルドネ」は繊細な味わいを生み出します。
ワインの歴史が約2000年であるのに対し、シャンパーニュの歴史は約300年しかありません。産業革命によりボトルとコルクが普及し、アルコール発酵時に発生する炭酸ガスを封じ込めることが可能となりました。シャンパーニュの誕生には諸説ありますが、1695年ベネディクト派の修道院で、貯蔵していたワインが自然に発酵し、偶然的にできたとされています。
シャンパーニュは含まれる糖分量により味わいが異なります。糖分無添加かそれに近いシャンパーニュをBrut Nature(ブリュット ナチュール)、0~6gの極辛口をExtra Brut(エクストラ ブリュット)、辛口をBrut (ブリュット)、中辛口をExtra Dry(エクストラ ドライ)、中甘口をSec(セック)、甘口をDemi Sec(ドゥミ セック)、50g以上の極甘口をDoux(ドゥ)といいます。最も一般的でバランスが良いのが辛口のBrut(ブリュット)で、アペリティフに最適です。
シャンパーニュは熟成を重ね、また異なるワインをブレンドして造られます。熟成する期間が15ヵ月以上で、複数の収穫年のワインをブレンドして造るのが「ノン・ヴィンテージ(ノン・ミレジメ)」です。熟成する期間が36ヵ月以上で、優れたブドウが収穫できた年に限り造られるものは「ヴィンテージ(ミレジメ)」と呼ばれ、さらに「キュヴェ・プレスティージュ」は、最良のブドウを使い丁寧に造られた、メゾンを代表するシャンパーニュです。
白ブドウだけで造られたものを「ブラン・ド・ブラン」、黒ブドウのみを使って作られたものを「ブラン・ド・ノワール」といい、両方とも白ワインに似た色をしています。「ロゼ」は、白ワインをベースに赤ワインをブレンドするか、黒ブドウの果汁に果皮を漬け込んで色を引き出すことで、独自の淡紅色となったものです。
シャンパーニュは冷やしてお飲みください。タイプによって適温があり、ブリュット(辛口)は8℃、ドゥー(甘口)は4℃、キュヴェ・プレスティージュのような特別な一本は12℃くらいでおいしく味わえます。シャンパーニュ用のグラスとしては、口が広くクラシカルでエレガントなクープ型、縦に長く美しい泡立ちが楽しめるフルート型、キュヴェ・プレスティージュなど豊かな香りを堪能できる赤ワイン用のブルゴーニュ型などがあり、シャンパーニュのタイプやシチュエーションによってお選びください。