マダム・ポメリーはシャンパーニュづくりだけでなく、アートにも情熱を注いだ人でした。
ミレーの名画『落穂拾い』を匿名で購入し、国へ寄贈して注目を集めるなど大胆な行動に出る一方で、若い無名のアーティストたちの支援にも目を向けていました。
その作品の発表の場として、ポメリーの大きなカーヴを提供していましたが、例えばアール・ヌーヴォーを代表するエミール・ガレによる「10万人分のシャンパーニュが入る大樽」や、ローマ神話のワインの神「バッカス」が描かれた巨大なレリーフなど、いずれも今なお歴史的価値のある大作ばかりです。